独占★Honey
「え、なにをっすか?」
一応敬語だけど
辰くんはいつもうちの両親と仲よさげにしゃべる。
まるで、本物の親みたいに。
まえに言ったことがあるの。
『ホントの親子みたいだね』
って。
そしたら、辰くん
『いづれ、そうなるじゃん』
って言ったんだ。
いまだにその意味がわかんない。
「司の彼女。」
お父さんはニヤニヤしながら辰くんから聞き出そうとしてる。
「ありますよ♪
すっげー可愛い!
おじさん、絶対びっくりすると思うし!」
「そうかーーー!!!」
辰くんもノリ気で話すから
お父さんの頬は余計にゆるむ。
「そういえば、初めてよね
司が彼女連れてくるなんて~。」
お母さんまで話に加わってにぎやかさは増していく。
さっきの言葉、取り消そうかな。
こんなに騒がしい家族で育ったんだから
わたしが地味になっちゃうのは道理だ。
だって、わたしがしゃべる隙なんてないもの。