独占★Honey
学校につくと、もう辰くんは来ていた。
一瞬目が合ったけど
あっちがそらした。
それだけのことに傷ついてる自分がすごく嫌。
「美亜ちゃん、ごめん、ちょっと手伝って~。」
「あ、はい!!」
こんなことで傷ついてる場合じゃないよ。
マネージャーの仕事、しなきゃ!
わたしを呼んだのは2年の先輩だった。
「このボール全部空気抜けちゃってるみたいなんだ。
選手たちが準備運動してる間に入れちゃお!」
「そうですね。」
わたしたちは、ボールに空気を入れ始めた。
でも、実はこの作業はじめてなんだ。
なかなか空気入れの針がボールに入らない。
「あはは、大丈夫?」
「うまく、はいらなくて・・・・」
「これ、ちょっとコツあるからね。
ここを抑えながら入れるとうまく入るよ?」
先輩は空気穴のすぐ横を押さえて言った。
「こう、ですか・・・?
あ、ホントだ!ありがとうございます。」
「いえいえ~。」