独占★Honey
「美亜ちゃん。
事情はわかんないけど
思ってることは、ちゃんと全部伝えたほうがいいよ。」
「え?」
「俺もね、一回迷ったことがあったんだ。
相手に、全部伝えるか。
可能性、皆無に等しかったからさ、やめとこうかなって思った。
取り消そうかなって。
でも、言ってよかった。
あのままうやむやになってたら、きっと俺後悔してたと思う。
その相手を見るたびに、切なくなってたと思う。」
過去を振り返るように話す先輩。
「きっとさ、みんなが通る道なんだよね。
なら、後悔したくないじゃん。
言えばいいんだよ、思ってること全部。
ぶつければいいんだよ、どんな方法でもいいから。
だって、言わないってことは可能性を
全部自分でつぶすことになるから。」
ピンポン、ピンポン・・・・・
『まもなく~~~』
「あ、電車来たね。」
「はい・・・・。」
「わかった?
どんな結果になっても、言わないよりはずっといい。
行動しないよりは、百万倍ましだよ。」
最後ににこっとまたさわやかスマイルを見せて
先輩は電車に乗った。
電車のドアが閉まるまで、
閉まってからも、電車が見えなくなるまで
わたしはそこを動かなかった。