冬恋 ~フユコイ~
「おかえり~、浩輔♪」

そこに美紗の姿はなく・・・。
ソファーには、俺の婚約者だった田中エリカが座っていた。

「どういう事だ、エリカ。
美紗はどうした?」

「ミサ? ふ~ん、ミサって云うんだぁ。
辛気臭い名前ね。賛美歌でも流れて来そう」

「おいっ! ふざけてないで何とか言え!」

「さ~ぁ? 帰っちゃったんじゃないのぉ~?」

そこへベッドメーキングを終えた従業員が現れた。
一礼して出て行く姿に

「ありがとね~♪」

そう言って手を振るエリカ。
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