冬恋 ~フユコイ~
きっと、お義母さんの目を盗んで電話してきてくれたんだよね?
だって・・・電話の向こうは、物音一つしないから。

「美紗・・・」

「ん、何?」

「すまない!<(_ _)>」

「え、何? 
ヤだ、何言ってんの?」

突然の事に驚きを隠せない。

「私は・・・自分の幸せと引換えに・・・
お前を見捨ててしまった。
本当にすまない」

「そ、そんな事、ないって!
私は女だし、いずれ結婚すれば家を出て行く身だよ?
だから・・・そんな事、気にしないで」

「本当にお前には、肩身の狭い思いをさせて・・・すまない事をした。
お前が幸せになる事が、父さんの一番の願いだから・・・」

「もう、新年早々ヘンな事言わないでよ!
切るよ?」

「分かった・・・。 
身体に気をつけるんだぞ?」

「お父さんも、ね」

「ああ」
< 117 / 154 >

この作品をシェア

pagetop