冬恋 ~フユコイ~
「美紗ちゃん、大丈夫?
ちょっと酔わせてしまったかな?」

「はい・・・、ごめんなさい」

なぜだか涙が止まらない。
私って泣き上戸だったのかな?

浩輔さんがそっと立ち上がって、私の顔を覗き込んで来る。

「ごめんなさい、ごめんなさい」

「どうしたの、美紗ちゃん。
なぜ謝るんだい?」

「だって・・・こんなに優しくして貰って・・・その挙句に泣き出すなんて。
自分でも最低だって分かってるんです。
それでも・・・」

「それでも?」

「浩輔さんの傍を・・・離れたくなくて」

「・・・・・・」
< 39 / 154 >

この作品をシェア

pagetop