冬恋 ~フユコイ~
待ち合わせ場所に行き、指輪を受け取る。
急いでリングの内側の刻印をチェックする。

「まさか、浩輔がこんなもん贈るとはな・・・」

目の前で笑ってるのは、大学時代の友人だ。

「出会っちまったんだから、しょーがねーだろ」

「その、浩輔の『運命の女性』とやらに早く会いたいもんだね」

「結婚したらな。
完全に俺のものになったら、会わせてやる(笑)」

「なんだよ、随分と慎重だな?
今までのお前らしくない」

「ま、年が離れてるしな。
俺には勿体ないぐらい真っ直ぐな子なんだ」

「ふ~ん、そっか。それで、その子はどこのお嬢さまなんだ?
結婚となったら、家同士の付き合いだからな?
お前の家と釣り合う程の良家の子女なのか?」

「ごく・・・普通の、一般的な・・・女の子」

「そっか・・・。
周りを説得するのが大変そうだな」
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