透明な銃
そのまま話を聞いてると、何だそれ、ただの惚気かよ!といいたくなるような内容だったけど、
肝心の2人からするとかなり真剣で別れるかどうかの瀬戸際のようだった。
泣きそうだった女の子の目は、もういまにも涙が零れ落ちそうだ。
……どう聞いても仲良さそうなちょっとした痴話げんかにしか聞こえないのに、人間ってのは不思議なものだ。
1分ごとにかけなおして10分電話に出なかった、メールの返信に15分かかっただとか、
昨日の2時間目の休み時間に教室に会いに行ったのにいなかったとか。
なんだそれ。
どんだけ普段いちゃついてるんだ。
……ちょっとだけ、うらやましい。