透明な銃


「残念だけど今日は午前の授業が終わったら他の学校へ行く予定があって……」
今日の僕のクラスの授業は他の数学の先生が受け持つらしい。

よかった!

「それは残念ですね」
「ああ、明日の授業はちゃんと私が出られるから、また明日ね」

そして『至極残念だ』とかまだブツブツいいながら小池先生はコピー室へと向かっていった。

助かった。

これで小池先生が僕に元々好意を抱いていなければ、
早ければ明日には効果がきれて元通りになるだろう。
それを祈り、僕はまた2人のハートへと銃口を向けた。

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