透明な銃

きっとそれが、僕がこうしている理由だろう。

どこからどう見ても、僕が彼女のハートを撃つよりも、
彼女と不知火君のハートを撃ちぬいた方が出雲さんは幸せになれるだろう。

それは今朝のケンジとエレナの場合と違って、
無理矢理くっつけるんじゃなくて、ちょっと背中を押す意味になるだろう。

しかし、僕だって彼女が好きなんだ。



「……好きな人の幸せを選んだ方が、自分も幸せになれるんだろうか」


高林君がむせた。
< 47 / 54 >

この作品をシェア

pagetop