透明な銃
きっとそれが、僕がこうしている理由だろう。
どこからどう見ても、僕が彼女のハートを撃つよりも、
彼女と不知火君のハートを撃ちぬいた方が出雲さんは幸せになれるだろう。
それは今朝のケンジとエレナの場合と違って、
無理矢理くっつけるんじゃなくて、ちょっと背中を押す意味になるだろう。
しかし、僕だって彼女が好きなんだ。
「……好きな人の幸せを選んだ方が、自分も幸せになれるんだろうか」
高林君がむせた。