透明な銃

姉さんが家から居なくなって、
父さんは元からあまり家には居なくて――残されたのは僕と母さんと松本だった。

無口な母さんと、それに似た僕。

主に姉さんで賑やかだった僕の家は、急に静かになってしまった。


時々迷惑に思っていたりもしたのに、
いないとそれなり、いやかなり寂しいものだった。
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