透明な銃


「にゃー!」
「え、何々、どうした松本?!」

松本は頭を僕の体にこすり付けて一言鳴いたかと思うと、今度は僕の手を舐め始めた。
こんなの子猫の時以来だよ!と感動していると、
なんと次はごろんと寝転がり、お腹を出した。
可愛い!こんなのはじめて!


やっぱり本物なんだろうか、この銃は。

いや、この場合は松本が僕を好きになったのではなく、
僕に対する好意を積極的に表し始めただけだ。
決していつもは嫌われている訳ではない。彼がツンデレなだけだ。


つまり、元々好意を持たれている場合はそれがさらに増すという事だろうか。

ふと、ハートを見てみると、色がピンクから赤に変わっていた。
効果は目に見えるのか。



「あ、とにかくご飯食べるか、食べに行こうか、松本!」
そう声をかけると、ムクリと起き上がった松本は、ドアの近くに座った。
きっと僕が着替えるのを待っているんだろう。本当に可愛い奴だ!


これが夢じゃないというなら、この銃は本物だ。間違いない。
< 9 / 54 >

この作品をシェア

pagetop