私、もうちょっとで30代です。でもピンクなんです。
朝、いつも通りに行動する。
まずトイレに行って、あれ誰か先に入ってる?
独りだけど?
とりあえず、礼儀として、ドアをノックした。
トントン!
「入ってまーす。」
あっ!私はぬいぐるみの子を思い出した。
昨夜、私は変なぬいぐるみを買ってきた。そして言われるがままに、夕食を二人分作り食べた。
こんな変な事がすんなり受け入れられるほど、私は寂しかったのだ。久しぶりに誰かの顔を見ながら、楽しむ食事。
ガチャ。
トイレから、なにか一仕事終えたような表情をした、ぬいぐるみが出てきた。
「あんた、ぬいぐるみなのに出るの?」
「食べたら、出る。自然の摂理だろ。」
確かにそうだなぁと。
朝食も二人分作った。
「よし、仕事に行くぞ。あんたはどうするの?」
きっとか弱い子犬なら、心配で置いていけないが、コイツなら勝手にやるだろうと思った。
「他のレンジャーを探しに行く!お望みどおり、ピンクの・・・」
!!!。
ヤバい、会社に遅れる!
私はぬいぐるみの返事を最後まで聞かずに、走り出した。

「・・・好みのイケメンをな。」
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