悔やみ嘆く思い

「翔ちゃん、実花どこ行ったの?」おばちゃんが俺に聞く。

「知らないんだ。急に先に帰ってくれっていわれて…」
「お前、ほんとに知らねえーのかよ」兄貴に再度聞かれる。

「知ってたら最初に言ってるだろ?!今日、何で俺行かせてくれなかったんだろ…」
実花のお母さんは聞き逃さなかった。

「行かせてくれなかったって…?」
「今日、あいつ寄るとこあるって言ったから俺、着いていくって言ったんだけど、なぜか断られた。」

俺はそのとき思わなかった。そんなに非常事態なんかじゃないと。
きっと実花ならすぐに帰ってくる…そぉ、思ってた。

「夕紀さん、警察に言いましょ」おばちゃんは三度頷いた。

「龍くんとおじさんは?」俺はおばちゃんに尋ねる。
「近所回って探してる…」

兄貴の運転する車の中でやっと気づいた。やばいことが起こってるんだって。さっきから何度も実花に電話しているけど繋がらなかった。

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