悔やみ嘆く思い
実花と登校してこない俺にみんな尋ねてきた。
「実花は?休み?」
実花はそういう存在なんだ。
実花がいないとみんな、そわそわする。
俺が一番そわそわする。
授業が始まっても上の空。
何の授業してんだろ…。
実花、どこに居んだろ。
俺、今、どんな顔してんだろ。
一時間目の途中だっただろう。
ガラガラガラ
後ろの扉が開く音がした。
「あっ、すみません。嶋谷来い」
担任の森田だ。
もしかして実花が居たのかもしれない。ひょこっと家に帰ってきたのかもしれない。
実花ならそうかもしれない。
また今日から実花とキャッチボールできんだ。
「すみません。嶋谷連れていきます。」
森田は数学の板井先生に告げてドアを閉めた。