悔やみ嘆く思い
「実花、職員室にいる?」
嬉しくて嬉しくて、自分がすでに妄想の世界に入ってるなんて気づかずに。
「いや…うん。とにかく職員室に来い」
森田の様子が明らかに変だった。
「森田…実花まだ、見つかってないの?」
俺はその場に立ち止まった。森田は苦笑いをして再び歩き出した。
「おい、待てよ!実花が見つかったから俺んとこ来たんだろ?!」
俺は森田の胸ぐらを掴んだ。
周りが授業中だってことは忘れていて一番、信頼できる先生の胸ぐらまで掴んでしまった。
俺の大声を聞き一年生の先生が三人くらい別々の教室からでてきて、俺の体を押さえにきた。
「嶋谷、頼むから職員室来てくれ。俺からの口からは言えない」
森田はその場に立ちすくんでいた。1人の先生が森田を支える。
俺と実花は何かと一年の頃から森田と話すことが多かった。
いつも何でもうんうんって聞いてくれて実花と俺が喧嘩したときも仲をとってくれたのは森田だった。