悔やみ嘆く思い
山岡さんはどんどん階段を登っていく。俺も中学のころは入ったことのない屋上。
ドアにはよくドラマで見る゙立ち入り禁止゙のテープが貼られている。
「翔太、大丈夫か?」山岡さんが優しい声で尋ねてくる。この先は実花が倒れていた場所になる。
怖い思いなんて当たり前だ。怒りがこみあげてくる。自分の無力さに。
きっと実花の死は俺に止められたはずだ。あの日実花の後ろを無理矢理でも着いていってれば実花は今も俺の隣にいたはずなのに。
「自分を責めるなよ」俺の表情に気付いたのか山岡さんは俺に強くそう言った。
山岡さんに頷くとドアが開いた。