悔やみ嘆く思い

「翔太……やっぱり場所変えるか?」我に返ると山岡さんが俺の背中を擦ってくれていた。

「いや、大丈夫です。もう少しここに居たいです」
「そうか。ほんとは事件のこと言ってはいけないが、お前には嘘もつきたくない。ちゃんと知ってほしいんだ。」山岡さんは強い眼差しで俺に話してきた。

「はい、話してください。俺、ちゃんと受け止めます」
「分かった」山岡さんは柵に凭れながら話し始めた。

「実花さんが亡くなったのは居なくなったあの日の夜中の12時ごろと推定される」12時っておばちゃんが俺の家に来たときだ。あのときまだ実花は生きていたのか?それとも既に……

「実花さんの遺体には何ヵ所も刃物で刺されていた」俺はその言葉を聞いて顔をしかめた。

あまりにも残酷すぎる真実。耳を塞ぎたくなる事実が俺の前には存在したんだ。
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