悔やみ嘆く思い

実花と俺のコンビは最強だった。実花がピッチャーで俺がキャッチャー。

でも実花は公式戦には出れない。もちろんその理由は女だから。

だけど実花は女であることを嫌ではないと話していた。

「実花はさあ、女であること嫌とか思ったことない?」
実花はクスッと笑って答えてくれた。

「うん、別にないな。俺は俺らしく。女でも俺だから」
「って俺って言ってるじゃねーか」
「突っ込むなよ」と実花は笑っていた。

そういうところがかっこよかった。いつの間にずっと実花と一緒にいて実花と野球をしてきた。

今日もいつものように運動場で野球をして実花と帰る。そうだと思ってた。

またその次の日も実花と一緒に登校して授業を受けて部活をする…。


そうだと思ってた、のに。

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