悔やみ嘆く思い
仲間の温かさ
あれから学校出てないな……ふとそう思い時計を見れば4時すぎだった。
榎ちゃんと話がしたい。そう思った俺の足は学校の方に向かっていた。
私服で行くのはダメだけど何も思わず私服のまま学校に入った。
「嶋谷先輩っ!!」グランドから少し離れたところで一年生が筋トレをしていた。
「よ!」俺はできるだけ笑顔を振り向いた。
「先輩……」俺の作り笑顔に気付いたのか後輩たちが寂しそうな顔をした。
「無理しないでください」俺と実花に一番なついていた夏山皓大(ナツヤマコウダイ)。
皓大は目をうるうるさせて呟く。
「あぁ。大丈夫だって」
「嘘だ!だって先輩、泣いてる!」皓大に言われて目元を触ると涙で手が濡れたのが分かった。
「あれ…?何で泣いてんだ、俺……」
「先輩……野球部にまで作り笑顔しなくていいです。笑わなくていいですから!お願いですから、文句でも何でも俺たち聞きますから!」皓大は涙を流していた。
「わりぃ……」俺は壁に凭れながらその場に座り込んだ。どれぐらい泣いただろうか。
皓大を含めた後輩たちの鼻水を啜る音が聞こえた。