悔やみ嘆く思い
「………かるよ、俺にも」山岡さんが小さな声で呟く。
「痛いほど分かるんだ、俺には…」俺の肩をゆっくり掴む山岡さん。
「山岡さん……」どうしてか分からないけど無性に辛くなった。
「俺も、学生だったとき親友が殺されてるんだ…」
いつもの山岡さんとは思えないほど、小さく感じた。
「俺の親友は正義感が強くて警察官目指してた。悪いことをしてるやつには悪いっていつも怒ってた。だから、好かれてる人数も多いけど、嫌われてる人数も結構いた。」
俺は真剣に山岡さんの話に耳を傾けた。俺はなんてひどいことを言ってしまったのだろう。
「ある日、親友は塾帰りで渇アゲされている同じクラスの男の子を見つけたんだ。正義感が、強い彼はもちろん声をかけた。やめろってな…でも相手は有名な不良高校の悪たちだった。そこで……」
山岡さんの手が震えていた。見ているのも辛かった。
「もういいです!!もういいですから…」
そう言うと山岡さんは深呼吸をしてもう一度俺の方に体を向けた。
「俺は、お前の味方だから。だから、絶対に犯人も見つける。でも、お前一人で動くな。俺が付き添う。分かったな?」
山岡さんの眼差しはちょっと怖かった。俺は、素直にうんと頷いた。