悔やみ嘆く思い
「お前、帰っていいぞー」山岡さんは部下の人にそう伝える。
「えっ、でも…」
「いいって!俺はこいつとゆっくり話したいんだ。」そう山岡さんが伝えると不服そうな顔をして帰っていった。
「めちゃくちゃ不服そうな顔、してましたけど…」俺は、苦笑いをしながら山岡さんに話した。
「あいつ真面目すぎなんだ。一緒に居たら疲れるんだよ。あいつといるよりお前といるほうが普通に楽」そう言って部下の人と反対の方に歩き始めた。
俺は、山岡さんを追うように走った。さっきの山岡さんとは考えられないくらいふらふらしている。俺からこう見えても山岡さんは今までにたくさん悩んできたのかもしれない。
「翔太!!腹、減ってるだろ?」立ち止まらず進んでいた山岡さんが後ろを振り向いて俺に話しかけてきた。
「まあ、それ「さ、行くぞラーメン」人に尋ねておいて俺の回答はまるで無視。
俺は、返事もせず山岡さんに着いて行った。
ラーメン屋にはいってラーメンを頼んでくれた山岡さん。
「お前は何を求めてるんだ?」水か入ったコップを持ちながら怖い眼差しで見てくる。何か、全部分かっているような気がして怖くなった。
「何がって何が?」俺は見抜かれないようにメニューを見ながら冷静に答えた。
「俺に隠そうとすんな」そう言いながら俺の手からメニューを奪ってくる。
「俺は…!!!」あいつを殺したいと続けて言うつもりだった。でもその口は山岡さんの手によって塞がれた。
「こんなとこで言うな。敵を作るな。お前がそんなことをしても実花さんは喜ばない。むしろ悲しむだろうな。お前のその気持ちは心の中に閉まっておけよ。俺も知らない、聞いてない。」
山岡さんは最後に優しい顔をして俺の背中を叩いた。