悔やみ嘆く思い

「お前、何掴んだんだ?」山岡さんはラーメンを啜る手を止めて俺に話しかけてきた。
「何って…これ…」鞄のポッケに入っている“明日 305”のメモ。

「これ何だ?!どこで見つけた?!」山岡さんがすごい勢いで俺の体を揺さぶる。周りの客もびっくりしたのかみんなが俺たちに注目している。
「山岡さんっ、落ち着いて!!」俺は山岡さんに小さな声で伝える。

「すまん。熱くなってしまった」山岡さんは水を一杯飲んで俺の話を聞くように構えている。
「実花んちです。机の中に入っていました。」山岡さんはじっとそのメモを見つめる。これが刑事の顔というのだろうか。見ているというより睨んでいると言ったほうが正しいのかもしれない。

「何だこの数字は…?」頭を抱えながら考え込む山岡さん。
「山岡さんは、実花のおばあちゃん家行きましたか?」
「あぁ、もちろんな。だがこのメモは見逃していたみたいだ。でもこれはかなりの重要ヒントになってる気がする。」このメモが、犯人に近いと思うとドキドキする。そして怒りが、込み上げる。

「実花さんがおばあさんの家の近くの駅で待っているのを何度か見た人がいるんだ」山岡さんがメモを見つめながらそう言った。
「えっ…?」
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