悔やみ嘆く思い
20分くらいたってから山岡さんは俺を迎えにきた。
「おぉー一週間ぶりだな」そう言って俺の肩を一発叩いてくる。
「とりあえず車乗れ」山岡さんは優しく俺にそう伝えてきた。山岡さんに言われたように車の中に乗り込む。山岡さんは静かに車を発進させた。
着いたところは実花の死んでいた中学校。そして俺の母校でもある。山岡さんが車から降りていくから俺もそのあとに続いた。
「なぁ…翔太…正直まだ分からない。でもその可能性が高い。そう思っててほしい。」山岡さんは屋上の柵に寄りかかりながら俺にそんなことを言ってくる。俺は頷きもしないでその場に突っ立っている。
「お前の言う通りあの数字は部屋番号だったよ。調べるのに一週間もかかってしまった。あそこの駅周りはマンションだらけだからな」少し笑いながら俺を見る山岡さん。
「その中で実花さんに関係している人がいないか探した。最初はほんとに難航していた。でも分かった。実花さんがメモに残していたあの部屋番号は…お前の父親だ」
俺はすっと山岡さんを見上げる。きっと俺の顔は無表情。
「お前の親父さんだ…でもまだなんも分からない。まだ調べてない。今から親父さんが働いていたとこにいくから来い」俺は足が空くんで前に進めない。
「山岡さん…それって俺の親父が実花のこと殺したかもしれないってこと?」ぶるぶる震える足を押さえながら山岡さんに尋ねる。
「それはわからない…翔太…行こう。お前がここで立ち止まってどうする?お前が知らなきゃどうする?来い…」山岡さんは俺に大丈夫だ…と言われてるようにも感じた。
俺は山岡さんの車の助手席で静かに涙を流した。実花と俺の親父が会っていた。そんなこと実花は一言も言わなかった。それにどうして実花と親父が会っていたのかそんなことが頭の中でぐるぐる回って混乱して涙が溢れてきた。