悔やみ嘆く思い
夜の12時ごろだろうか。俺は、夕食を済ませてテレビの前でぐったりとしていた。
「お前、こんなとこで寝てたら風邪ひくぞ」兄貴がボンボン背中を蹴ってくる。
「うるせぇーな、分かったよ」あくびをしながらようやく立ち上がった俺。
「おばあちゃん、風呂入る」
「温かい湯、もう入ってるからね」どこにでも居そうな優しいおばあちゃん。でも、俺にとってはたった1人のお母さんのような人。
「ありがとう」お風呂場で服を脱ごうとした時だった。
ピンポーン
インターホンの音だ。
「誰だよ、こんな夜に」ぶつぶつ文句を言う兄貴の声が聞こえる。
「あー実花のおばちゃん」兄貴のその言葉を聞いた瞬間、俺は服を着直した。
「俺がでるよ」走って玄関に向かった。
「おーサンキュー」