僕の見つめる世界で。
高校三年
僕はホワイトボードくらいの
厚さの壁に仕切られている進路指導室で先生を待っていた。
隣の仕切りの中では他の人が
進学や就職のことで話している。
先生がくるまで時間がかかりそうだ。
頬杖をつき、そっと僕は目を閉じた。
「大丈夫っ!」
広い一室に響く高い声。
僕はその声でハッと目を開いた。
仮にも仕切りのある部屋だけれど、あんなに大きな声で叫んだら丸聞こえだ。
「お前はあそこを受けると春に言ってただろうが。今さら行きたくないなんてどうするつもりだ」
一段と教師の小さな声が聞こえてくる。
きっと確実に受かると自信の
ある大学なんだろう。
教師が止めるのもわかる。