僕の見つめる世界で。
あの時、
僕は焦っていたのかもしれない。
でも、きっと正解だったと思うから。
僕が、彼女に言ったこと。
それは、電車を降りてからの
公園だった。
ベンチに座る僕と、ブランコに駆け寄る小森。
キイキイと鉄が擦れる音を
聞きながら、僕は缶ジュースの蓋を開けた。
小森の分は僕の隣。
何秒か彼女と目が合うと、
小森はブランコを飛び降りた。
僕はその光景が、夕日に照らされてスローモーションで見えた。
にっこりと微笑み、僕と同じ
ように缶ジュースの蓋を開ける彼女。
喉に通ったコーラの炭酸が
ヒリヒリとした。