捨て子のミライ
あばれる気力が、だんだんなくなってきた



どれくらい時間がたったのだろう。



亮、亮…声をふりしぼる



車がとまった



降りろ


男の声がする。私は両手を誰か二人にひっぱられながら車を降りた。



ガタンっ


ドアが閉まる音


部屋の中なんだろうか。亮は一緒なの?恐いよ!!誰か!目隠しされていた布が涙で濡れて重くなる…



よし。いいぞとってやって。



んーーーっ!!


口はガムテープで、ふさがれ手は縄で結ばれ、おなかにも縄、柱にくくりつけられてる



目隠しだけとられた



そこには金髪の男と丸坊主の男。そして黒ぶちメガネをかけた男。3人の若い男が立っていた



メガネの男が口をひらく。


あなたに状況を説明します。あなたは今、誘拐され人質となっています。安心して下さい。大事な人質ですので、あなたを傷つけるような事はしません。息子さんは、となりの部屋で僕らの仲間がみています。絶対に大声をあげない。逃げ出そうとしない。その二つの約束が出来るのであれば息子さんと同じ部屋で人質となってもらいます。
出来ますか?
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