残酷な優しさでもかまわない
『……それで、俺にどうしろと?』
全くもって理解不能だ。
『娘は、彩花といいます。彩花は、病院であなたの姿をお見かけして、どうやら恋心を抱いているようなんです。』
『はぁ……。』
『今まで病気がちで学校へもあまり通えず、友達も少なく、恋することもなかったんです。』
『…………。』
『彩花は、もうあと半年ももちません……病院から出る事も不可能でしょう。そんな娘に、恋する喜び、愛される喜びを最後に教えてやりたいんです。』