残酷な優しさでもかまわない


『……わかりました。』

『へっ?!』


まだ芝生に膝を着いたままの父親が、驚きの声を上げた。


『お引き受けいたしましょう。』


『あ……ありがとうございます。あなた!あなたよかったわね!』


母親まで座り込み、泣きながら父親を抱きしめた。


父親は、嗚咽を堪えながらも、何度も何度も俺に頭を下げたんだ。


二人は抱き合ったまましばらくその場から動けずにいた。



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