銀髪の王子と黒髪の王女
ヒタヒタと誰かの足音が近づいてくるのに、王子は気づきました。
王子の尖った耳は、普通の人よりとても音をよく聞き分けたので、これが自分の知らない者の足音だとわかりました。
どうせすぐ召使たちに見つかって、舞踏会を行っているホールに戻るだろう。
ここまで来ないだろうと思い、王子はそのまま眠りにつきました。
どのくらい経った頃でしょうか?
ふと王子が目を覚ましたら、隣で寝息を立てている者がいました。
女の子でした。
背の低い、幼子かと思われる少女が目を閉じて寝息を立てていました。
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