銀髪の王子と黒髪の王女
「一つ訊ねたいんだか、なぜ俺が王女の縁談の相手だと知ったんだ?俺でさえ知らなかったのに・・・。それになぜ王女の国の王様は、俺で手を打ったんだ?俺もあまり王子らしくなかったんだ・・・」
王女は王子の言葉に首を傾げました。
「魔法をかけられる前、いったい何をしていらっしゃったんですか?」
王子は恥ずかしそうに、そっぽを向きながら言いました。
「よく城を抜け出しては友と一緒に遊び、日暮れまで帰ってこなかった。剣の稽古はしたけど、ダンスの練習の時には逃げ出したり。勉強は一生懸命したけど、テーブルマナーは嫌いだった。本を読むのは好きだったけど、政治の本は読んでも歴史の本は読まなかった・・・・・・」
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