銀髪の王子と黒髪の王女
王女が悪いのではない。
悪いのは、北にある国の王子。
王女は全然悪くない。
王子はゆっくりと剣を鞘に納めました。
そしてお城の時と同じように、王子は王女の涙を指で拭いました。
「王女。俺はあなたの所為だと思っていない。あなたのおかげで、俺は昔と同じように笑うことが出来た」
王女はハッとして顔を上げました。
王子を王女はじっと見つめました。
「この姿になってから俺は一度も笑ったことが無かった。王女のおかげで、笑顔を取り戻すことが出来たんだ」
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