銀髪の王子と黒髪の王女
そんな時です。
突然、王女の後ろから矢が飛んできました。
「危ない!!」
すぐに気がついた王子が王女を左側に押し倒しました。
王女の立っていた位置に一本の矢が突き刺さっていました。
「王子!王女!大丈夫ですか!?」
魔法使いは二人に駆け寄りました。
二人は地面に倒れていましたが、どこも怪我をしていません。
「ああ。大丈夫だ」
「私もです」
魔法使いは安心した後、杖をかざしました。
王子と王女は地面にゆっくりと座り込みました。
「?何を」
「しっ!」
問いかける王子に向かって、魔法使いは人差し指を口に立てて「静かに」という仕種をしました。
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