手で言葉を 〈貴方に伝えたいことがある〉
第1章 永島日向という少年
手話ニュース
その日は普段なら休みの日だった。
帰宅部だし、いつもは家でゴロゴロしている時間。
でも、この日は違った。
私はテキパキと支度をしていた。
何故って?
…それは先生に呼び出されたから。
なんか、手伝ってほしいことがあるらしい。
つまり、雑用だ。
呼び出した先生は私の担任で、社会担当の男教師。
たまに、ゲンコツが頭にきたりすることがある。
基本、女子には優しい先生でゲンコツなんて
男子&私にしかしない。
…というか、私以外の女子にしているのを見たことがない。
そして、何故呼び出されたのか。
多分、その社会の時間に居眠りをしていたからだと思う。
寝てた生徒はほかにもいたはずなんだけど…。
きっと私が一番前列の席で、しかも教壇の前だっやこと。
それとこの間のテストの点数が社会だけヤバかったこと。
この2つがきっと関係しているんだろう。
それで居眠りしてるんだから、イラッとくるのも当たり前か。
私が教師だったら、同じくそう思う。