コーチと私の甘いオトナの秘密
皆が浴場に行ってしまってから


私は一人ロビーに降りた。

お風呂上がりがよかったのにい。


風呂行く前に降りてこいっ…だって。


ノーブラ事件があったからかなあ。


ロビーには誰もいなくて、一人ソファーに座った。


意味もなく新聞広げたりして。


来た!幸太コーチ来たっ!


二人きりだといいのに


フロントの人がめっちゃ見てる。


『足出して…』


『コーチ、フロントの男の人から見えちゃいます…』


コーチは、奥のソファーに移るように指差した


『ここなら大丈夫だろ…』

私の足を自分の太ももに乗せて…


手際よくテーピングしていく。


『明日…最後の試合に出れるようにぐるぐる巻きにして下さいっ』



『無理するな…地区大会に間に合わせろ』



コーチに見てほしかった。私のプレーを。


褒めて欲しかった。

『ん?不服そうだな…』


『はい…。試合に出たいです…』
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