守護まにゅある!
「今になって命乞い? 甘く見てるんじゃないよ 
アンタは鈴音の首を絞めて殺そうとした それなのにちゃんと守る? 
守るっていうのはね、そう簡単にできるほど楽な事じゃないの
言うのは簡単よ でも突き通すのは大変なこと。
一度でも鈴音を殺そうとしたお前が出来るなんて絶対に無理よ」

『こっ小娘がアアアア! 調子乗ってんじゃねぇぞ!! 人間のクセに!!!』

ジタバタと男が悶えながら吼える。

・・・アイツ、終わったな

焔を人間、ましてや小娘呼ばわりとは恐れ多いにも程がありますね

アイコンタクトを交わすアルとオルハ。

二人の視線の先には、殺気を惜しみなく出す焔。

「あたしを小娘なんて呼ぶなんていい度胸じゃねぇか 特別に地獄の最奥に飛ばしてやるよ!!」

大鎌を振り上げ、鎖を断ち切る。
男の背中に手を置くと深呼吸をして叫んだ。

《守護霊殺しの罪と生者殺人未遂により、貴様を地獄に堕とす!》

強く突き飛ばすと、男は忌ま忌ましそうにこちらを見た。

『てめぇ、何なんだよ!!』

見下しながらニヒルに笑った焔は仁王立ちになった。

「あたしは死神。そして地獄の門の番人よ
小娘やらよく言ってくれたわね
あっちでよーっく反省してきなさい!!」

『なっ・・・お前みたいな奴が?!!』

男がそう言うと同時に扉が勢いよく閉まった。



「アル、あとよろしく」

「全く・・人使いの荒いことで」

鎖が扉を囲み、大きな音をたてて施錠された。

ゆっくりと底に沈んでいき、音もなくそれは消えていった。


< 13 / 44 >

この作品をシェア

pagetop