守護まにゅある!
ワタシズットミテタノヨ
アナタノコトダイスキナノ
ヤットワタシヲミテクレタノネ

「はっ・・・? 俺アンタのこと知らないんだけど」

片言で訳分からないことを言う女から後ずさると、女は一歩踏み出してきた。

やばい。やばいだろ! 動け俺の足!!!

女の異様な雰囲気に竦む足を無理矢理動かすと、駆け出した。

何処でもいい。女から逃げられれば何処でも・・・!

重いスポーツバッグを肩にかけ直しながら後ろを見ると、女が千鳥足でゆっくりと追い掛けてきていた。

これなら逃げ切れる!
確信したその時。取り巻く空気が急に冷たくなった。

冬だからとかそういう冷たさではない。

背筋が凍るような、恐怖で頭が埋めつくされるような冷たさだ。

ドウシテニゲルノ・・・?
ワタシアナタトモットオシャベリシタイワ

「俺は! 喋りたくない!! 付き纏わないでくれよ」

ヒドイヒト・・・
アナタノキズ
ワタシトイッショウイッショニイテクレタラ
ナオシテアゲヨウトオモッタケド・・・
ソノキズヲミテワタシヲオモイダシテクレルノモウレシイ・・・

ダカラ

キズ、ナオセナイヨウニシテアゲタカラネ

< 21 / 44 >

この作品をシェア

pagetop