守護まにゅある!
「い、意味わかんねっ・・・?!」

急に右手の傷が疼いた。

確認すると包帯が赤く染まり始めている。

多分、治りかけていた傷が開いたのだろう。

「うっわああぁあぁ」

あまりの恐怖になりふり構わず走り出した。

後ろは見ない。いや、見たくない。

女が口元を歪ませてるであろうことは分かってるから。

他人にぶつかり、怒声を浴びせられても尚、雅之は走り続けた。

ワタシカラハニゲラレナイ・・・
ネ?マサユキ

「嫌だ、やめてくれ、来るなああああ!!!」

息が切れてきた。
辛い、立ち止まりたい。でも立ち止まったら追いつかれる。

ふと目に入った空き地の木の陰で休もうと思い、飛び込んだ瞬間。

「・・あれ」

着地したのは土の上ではなく灰色のタイル。

肩で息をしながら見渡せば、沢山の本。

・・あれ、俺 空き地に入ったよな?

「おや、いらっしゃいませ」

「っ?!! な、んなんですかここは」

奥から出てきたのは、着流しを着た、真っ白な髪に赤い瞳の青年。

・・わ、すげ!
地毛っぽいしカラコンじゃなさそうだな・・・

そんなことを考えていると、また奥から誰かがやってきた。

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