怪奇愛好家。
小さな手が、ぼくの頭に乗せられた。
撫でると言うよりはかき回すようなそれは、
とても優しく、そして温かかった。
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少し大きくなった手が、
ぼくの頭を撫でる。
もうすっかりと馴染んだその手は、
いつも変わらず温かかった。
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年月が経ち、
ぼくの頭を包み込めるほどに
大きくなった手。
頭といわず、どこもかしこも
ぐしゃぐしゃに撫で回してくる。
まるで初めて会った時みたいだ。
そしてそのまま、ぼくを抱きしめる。
強く、強く。
そのまま何かをあなたは言った。
泣いている。
ぼくも抱き返す事が出来たなら。