怪奇愛好家。

「あれがお姉さんか?
 ……犬を飼ってるのか?」

亮太郎の視線の先には、
棚の上に飾っている
姉さんと、犬が写っている写真がある。

「うん。昔飼ってた犬だよ」

「柴?」

「黒い柴系の雑種」

「名前は?」

「シロ」

「何でだよ!真っ黒じゃんか!」

「知らないよ!父さんがつけたんだよ!」

そういえば、
理由なんて聞いた事が無い。


「父さんが子供の頃に
 拾ってきたらしくてさ。
 僕が小さいうちに死んじゃったから
 あんまり覚えてないけど、
 姉さんもかなり可愛がってたみたい」

「じゃあ結構な長生きしたんだ?」

「うん。だから父さんが
 兄妹みたいな感じだったって言ってた。
 実際に子守もさせた事あるらしいよ」

「それはシロもさぞかし大変だっただろうな」

何で?と、問うと、


「だって、小学生向けの噂を
 実行するような人なんだろ?」

……それは、確かに。
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