怪奇愛好家。

幼馴染の吉希(よしき)が
家に遊びに来た。

散らかり具合では花丸を貰えるようなこの部屋に呼べるのは吉希と、
もう一人の昔からの友人、
陸(りく)ぐらいだろう。

それほどに部屋には物が散乱している。

要求された珈琲を入れて
キッチンから居間に戻ると、
吉希が話していた。

俺の携帯で。

「ほら、電話。陸から」

電話を手渡され、短く礼を言う。
相手は短気だから、
切れてしまう前に取ってくれたんだろう。


「もしもし?どうした、なんか急用?」

大した用じゃないらしいので、
早々と切る。

珈琲が冷めるじゃないか。
< 129 / 285 >

この作品をシェア

pagetop