怪奇愛好家。

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ハンカチを返しに、
菜月ちゃんの家にお邪魔している。

そしてようやく、
菜月ちゃんが帰宅した所だ。


「ごめんね、時間無かったから、
 啓吾君にお願いしたの。
 メールだけでも送ればよかったね」

菜月ちゃんが言う。

「いや、どうせ暇だし、
 全然大丈夫だよ!」

「このあと、時間、ある?」

若干上目遣いで、
小首を傾げつつ訊ねられる。

「あるよ」

他に僕の答えは無い。


「じゃあ付き合って欲しいところ
 あるんだけど、いい?」

「いいよ。どこに行くの?」

デートか?
これはデートと取ってもいいんだろうか?

……でもなんだか不安だ。
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