怪奇愛好家。

 『なんで?!なんでよ?!』
 彼女は焦ります。
 何故なら、コンセントを抜いたその後も
 コピー機の動きはまったくもって、
 変わる事は無かったからです。

 そしてコピー機から飛んできた、
 10枚程の紙を見て、
 彼女は腰を抜かします。

 1枚目には、指先が描かれていました。
 2枚目には、第2関節まで。
 3枚目には手首までと、
 少しずつその手は伸ばされていきます。

 ついに、手は枠外へとはみ出し、
 続いて現れたのは髪の毛。
 次に顔。
 紙の上のその目は、
 枠外へを視線を向けています。

 そして、印刷を続ける音の他に、
 違う音が混じっている事に
 彼女は気付きました。
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