怪奇愛好家。

 音のした、コピー機本体へと
 彼女が視線を向けると、そこには
 腕が、彼女の方へと伸ばされていました

 スキャナ部分からその腕と、
 髪の毛が垂れています。
 隙間からは目が、彼女を見据えたまま。

 腕は、ゆっくりと、
 彼女の首へと伸ばされ、そして――


 それから数時間が経って、
 彼女が居ない事にようやく
 気がついた教師が彼女を見つけました。
 彼女の顔は、恐怖を浮かべていて、
 指先は赤く、血に染まっていました。
 そして、その近くには1枚の紙が。

 ‘助けて’と、彼女の筆跡で
 書かれていたそうです。

 次、どうぞ?」


……少女の台詞が、
とても迫力がある語りでした。
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