怪奇愛好家。
「鬼さんどーちらー?!」
しびれを切らした子が、
大声を出して飛び跳ねた。
ぴょん、ぴょん。
ひょこっと、頭が見える。
「暗くなっちゃうよー?」
他の子供も、真似をして跳ねる。
ぴょこぴょこ。
背の高い子は、
壁の向こうを跳ねながら見る。
「あれ、いないー?」
「帰っちゃった?」
「もう出ていい?」
一人の子が、ゴールから出てきた。
「私も、もう行くよー?」
もう一人、また一人と、
迷路から出てくる。
「……本当に帰っちゃったのかな?」
鬼役の子は、どこにも見当たらない。