怪奇愛好家。


「私たち、もう帰るからね」

そう言って、女の子達がまず帰り始めた。


「まだ迷路の中に
 居るって事はないよね?」

残っていた内の一人が言った。


「そうだったら、
 もうとっくに出てきてるだろ?」


そうだよと、他の子たちも同意する。


「だって、もう遅いんだし、
 みんな帰っちゃうのぐらい分かるよ」


そうだよね。と、さっきの子も納得した。



「……僕たちも、もう帰ろうか」


太陽は、もう随分と低い位置に見える。


男の子たちも帰り始めた。

< 217 / 285 >

この作品をシェア

pagetop