怪奇愛好家。


「じゃあ、早速迷路に行きましょうか!」

留衣さんは異次元、異世界関連じゃ
なくても楽しそうだ。

きっとオカルト系全般も好きなんだろう。


っていうか迷路に入るんですか、
やっぱり。




「入り口は3つ。
 どうする?
 時間差で全員1人ずつ?

 それとも2、2、1にする?
 3、1、1でもいいけど!」



僕的には2つ目か3つ目で、
多人数の方に入りたい。

何故なら、噂がどうとかいう以前の問題で
迷路が何だかとても不気味だからだ。


壁の塗装は所々剥げてまだらになっていて
さらに全体的に色褪せている癖に、

一部だけ塗りなおされたのか
それともイタズラされたのか、
真っ赤に縁取られている入り口が1つ。

……あそこからだけは嫌だ。
生理的に無理。



さらに、これは確実にイタズラだろう。

迷路にホラー要素が必要でなければ。

壁の全体には、同じく鮮やかな赤で
手形がそこいら中に散らばっている。


まさか中も同じような感じなんだろうか?
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