怪奇愛好家。

「え?」


僕達がこの公園に来た時、
誰も居なかったはずだ。

迷路に入ってからも、
子供の声は、聞いた覚えが無い。

そんなに防音性が高いとは思えないのに。



嫌な予感がしたので、
引き返すか、先に進むか悩んだ。

本当に、ただ遊んでいる子供だとしても、
僕と遊んでいる訳ではないから、
ここから居なくなっても、大丈夫だ。




……戻っても、出られないんだよな。

幸いな事に、先には分かれ道がある。
ここを逆に進んで、
駄目だったら戻ればいいだろう。


よし、左へ進もう。

< 236 / 285 >

この作品をシェア

pagetop