怪奇愛好家。

『今、帰って来たばっかりでね、
 お父さん、ワインを開けてるのよ。
 外でも飲んだのに、困っちゃうわね』

と、母さんは言った。



……どういう事だ?



『もしもし?要君?』

今度は、父さんの声だ。


『お電話代わりましたー
 どうしたの?寂しくなったのかな?』

どうやら、酔っているようだ。

でも、そんなのどうでもいい。


『ちゃんと、朝にはそっちに行くからね、
 いい子にしてるんだよー?


 あなたってば……
 もう小さくないのにね?
 あ、ご飯はちゃんと食べた?』


「……うん、さっき食べたよ」


どういう、事なんだ?

ここは、僕と、両親と、
それから姉さんと住んでいるはずだ。

なんで、他に家があるような事を言うの?


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